パワーポイントにはページ番号(スライド番号)を入れることができるのをご存じですか?細かい部分ではありますが、これがあるのとないのでは読み手・聞き手にとっての印象が変わります。
今回はパワーポイントでページ番号を挿入するメリットと手順の解説、ページ番号についてのよくあるご質問にお答えします。
パワーポイント資料にページ番号、入れていますか?
細かい部分ではありますが、ページ番号を入れているパワーポイント資料は、聞き手に細かい配慮が行き届いていることが伝わり、資料としての完成度が上がります。また、発表の際に、聞き手が今どの位置のスライドを見ているのかが分かりやすくなるだけでなく、発表者が全体の進行状況を把握することもでき、大変便利な機能です。
ページ番号を挿入する際は、必要に応じて、タイトルスライドを除いた2枚目以降のスライドにページ番号を振ったり、ページ番号の大きさや色を変更するなどの工夫をすると効果的です。
今回は、ページ番号の挿入方法と設定について解説していきます。
1|パワーポイント資料にページ番号(スライド番号)を挿入するメリット
まずはページ番号があることでどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
資料を振り返りやすくなる
パワーポイントで資料を作成していると、必要な情報や伝えたい情報を載せていくうちについ枚数は多くなってしまうものです。それゆえ後から資料を振り返ろうとしたとき、たくさんある資料ページの中から目当てのページを探すのに時間が掛かってしまったという経験はありませんか。パワ―ポイントで資料にページ番号を振っておけば、内容を1つ1つ確認して探すという手間が省け、番号からすぐに見たいページを見つけることができます。パワーポイントでページ番号を挿入することで、振り返りやすい資料になるのです。
質疑応答がスムーズになる
プレゼンテーションをした際にはしばしば行われる質疑応答ですが、質問者が資料のどこを見て質問しているのかがわかりづらいと感じることはないでしょうか。該当箇所を探しているうちに質問を聞き逃してしまったということもあるかもしれません。ページ番号を振っておけば、質問者がページ番号をもとに質問してくださる場合はすぐにページを見つけることができ、そうでなかった場合もページ番号を用いてプレゼンターから確認することができるため、質問者がどのページを見て質問しているのかが格段にわかりやすくなります。これまで質問の該当箇所を探していた時間と手間が省け、質問とより向き合うことができるようになります。資料のページ番号は質疑応答においても便利です。
プレゼンターや組織の評価につながる
またプレゼンテーション中も、プレゼンテーションスライドにページ番号が明記されていることで、どこまで話が進んだか、どのスライドの話をしているのかが聞き手にわかりやすくなります。加えて、配布資料がある場合はスライドに合わせた手元の配布資料の参照もしやすくなります。
パワ―ポイントで資料にページ番号を振ることで聞き手に細かいところまで気を配っているという印象を与えることができ、プレゼンテーション全体の評価の向上につながります。そして、プレゼンテーションの評価が上がることはプレゼンターや組織の評価にもつながっていきます。例えば、そのプレゼンテ―ションの場が営業シーンであればプレゼンターに対し仕事がしやすそうだと思ってもらえたり、商品発表会であれば丁寧な企業だという印象を与え、一種のブランディング効果をもたらします。
2|パワーポイントのスライドにページ番号を挿入する方法
「それではパワーポイントでのページ番号の入れ方について、「1ページ目から全てに挿入する方法」「タイトルの次のスライドからページ番号を挿入する方法」「1/10、2/10……のように挿入する方法」の3パターンで解説していきます。
1ページ目から全てに挿入する方法
パワーポイントでページ番号を挿入する方法は、スライドの編集画面から行う方法と印刷設定画面から行う方法の2種類があります。どちらも簡単な操作でページ番号を入れることができるため、状況に合わせてお好きな方法で行ってみてください。
①スライド編集画面から挿入する
ステップ1.「挿入」タブ→「ヘッダーとフッター」または「スライド番号」をクリック
「挿入」タブの「テキスト」グループの左から 2番目にある、「ヘッダーとフッター」をクリックします。
または、同じく「挿入」タブの「テキスト」グループにある、右から2番目の「スライド番号」をクリックしても以下の操作は同様になります。
ステップ2.「スライド」タブ→「スライド番号」をチェック
以下のような「ヘッダーとフッター」のダイアログが開いたら、「スライド」タブの「スライド番号」にチェックを入れます。
ステップ3.「すべてに適用」をクリックしてページ番号を挿入
ダイアログの右下にある「すべてに適用」ボタンをクリックします。ページ番号が1ページ目からすべてのスライドに挿入されます。
②印刷設定画面から挿入する
ステップ1.「ファイル」タブ→「印刷」タブ→「ヘッダーとフッターの編集」をクリック
「ファイル」タブをクリックします。すると縦方向のリボンが出てくるので、「印刷」タブをクリックします。
印刷設定をする画面が開いたら、一番下にある「ヘッダーとフッターの編集」をクリックします。
ステップ2.「スライド」タブ→「スライド番号」をチェック
以下のような「ヘッダーとフッター」のダイアログが開いたら、「スライド」タブの「スライド番号」にチェックを入れます。
ステップ3.「すべてに適用」をクリックしてページ番号を挿入ク
ダイアログの右下にある「すべてに適用」ボタンをクリックします。ページ番号が1ページ目からすべてのスライドに挿入されます。
【補足】「すべてに適用」と「適用」の違い
こちらで紹介した方法では「すべてに適用」を選択しましたが、「ヘッダーとフッター」のダイアログにはもう1つ「適用」というボタンがあります。この2つの違いは何でしょうか。「すべてに適用」は選んだ設定がスライド全体に適用されるのに対して、「適用」は選択したスライドのみに適用されます。
したがって、一部のスライドだけにページ番号を振りたい時や反対に一部のスライドだけページ番号を削除したい時、この「適用」を選ぶことで選択したスライドのみに設定を適用することができます。
タイトルの次のスライドからページ番号を挿入する方法
続いて、タイトルの次のスライドからページ番号を挿入する方法を解説します。
ステップ1.「挿入」タブ→「ヘッダーとフッター」または「スライド番号の挿入」をクリック
「挿入」タブの「テキスト」グループにある左から 2番目の「ヘッダーとフッター」、または右から2番目の「スライド番号」をクリックします。
ステップ2.「スライド」タブ→「スライド番号」と「タイトルスライドに表示しない」をチェック
以下のような「ヘッダーとフッター」のダイアログが開いたら、「スライド」タブの「スライド番号」にチェックを入れます。
そしてその下にある「タイトルスライドに表示しない」にもチェックを入れます。
ステップ3.「すべてに適用」をクリックしてページ番号を挿入
ダイアログの右下にある「すべてに適用」ボタンをクリックします。タイトルスライドを除いて、2枚目からすべてのスライドに2から順にページ番号が挿入されます。
2枚目のスライドのページ番号を「1」にして、順に挿入する方法
上記で解説した方法でページ番号を挿入すると、タイトルの次のスライドより「2」から順にページ番号が振られていきます。しかしここで、中面の1枚目ということでページ番号を「1」から始めたいというシーンもあるかと思います。2枚目のスライドを「1」としてページ番号を挿入するにはどうしたらいいのでしょうか。
「デザイン」タブの「ユーザー設定」グループにある「スライドのサイズ」をクリックします。
「標準(4:3)」「ワイド画面(16:9)」「ユーザー設定のスライドのサイズ」と表示されるので、一番下の「ユーザー設定のスライドのサイズ」をクリックします。
以下のような「スライドのサイズ」というダイアログが表示されたら、「スライドの開始番号」を「0」にします。
サムネイルウィンドウ(一覧)の始まりが1から0に変わります。
スライドのページ番号が1から順に挿入されます。
1/10、2/10……のように挿入する方法
最後に、1/10、2/10……のようにページ番号/スライド総数の形で表示させる方法を解説します。全体の中での位置を把握するのに便利なこの表記、実は通常のページ番号を挿入する前に、ほんの少し準備をするだけで簡単に表示させることができます。
ステップ1.「表示」タブ→「スライドマスター」をクリック
「表示」タブの「マスター表示」グループにある左端の「スライドマスター」をクリックします。
ステップ2.「スライドマスター」を選択→「‹#›」の後ろに「/スライド総数」を入力
以下のようなスライドマスター表示が開かれます。
ここではスライド全体のデザイン設定を行うことができます。すべてのレイアウトデザインを管理する全スライド共通のスライドマスターと、スライドのレイアウトごとにデザインを管理する各レイアウトのスライドマスターとで構成されています。
サムネイルペインの1番上にある「全スライド共有のスライドマスター」を選択します。
テキストボックスにある「‹#›」と表示されているのがページ番号です。この後ろに「/スライド総数」を入力します。
‹#›が入ったテキストボックスが表示されていない場合は、「スライドマスター」タブの「マスターレイアウト」グループにある「マスターのレイアウト」をクリックします。すると「マスターレイアウト」のダイアログが出てくるので、「スライド番号」にチェックを入れるとスライドに「‹#›」が入ったテキストボックスが表示されます。
ステップ3.使用している「レイアウトマスター」を選択→「フッター」のチェックを外し再度入れる
全スライド共有のスライドマスタ―を編集しただけでは、枝分かれしている各スライドレイアウトには反映されないので注意が必要です。以下の手順でレイアウトマスターに反映させることができます。
全スライド共有のスライドマスターの下に枝分かれしている「各レイアウトのスライドマスター」のうちで、スライドとして使用しているレイアウトを選択します。
「スライドマスター」タブの「マスターレイアウト」グループにある「フッタ―」のチェックを外します。
そして再度「フッタ―」にチェックを入れると、「全スライド共有のスライドマスター」で入力したものと同様のページ番号のテキストボックスが表示されます。
使用しているレイアウトすべてに同様の動作を行います。
なお、good presen!テンプレートのように個別でページ番号が設定されているテンプレートの場合は、反映されません。各スライドレイアウトから1つずつ調整していく必要があります。
ステップ4.「マスター表示を閉じる」をクリック
「スライドマスター」タブの右端にある「マスター表示を閉じる」をクリックし、スライドマスター表示を閉じます。
ステップ5.通常通りページ番号を挿入する
あとは通常通りページ番号を挿入すれば完了です。「挿入」タブの「テキスト」ボックスにある「ヘッダーとフッター」もしくは「スライド番号」からスライド番号を挿入すると、ページ番号/スライド総数の形でページ番号が表示されます。
【補足】「スライド番号の挿入」アイコンの活用
「挿入」タブの「テキスト」グループの右から2つ目にある「スライド番号の挿入」では、「ヘッダーとフッター」のダイアログを開くほかに、テキストボックスに直接現在のページ番号を入力することができます。1枚ずつ手動でページ番号を挿入したい時にぜひ活用してみてください。
テキストボックスの中でページ番号を入力したい箇所をクリックし、カーソルを置きます。
「挿入」タブの「テキスト」グループの右から2番目にある「スライド番号」をクリックします。
カーソルを置いた箇所に現在のページ番号が入力されます。
3|よくあるページ番号設定Q&A
ここでは、ページ番号についてよくいただく質問にお答えします。ページ番号を設定していく中で生じた疑問の解決にお役立てください。
以下の解説はすべて、任意のページ番号が挿入されているという前提で記載してあります。
ページ番号の挿入方法については本記事